寒さと暖かさを行きつ戻りつしながら、だんだんと穏やかな春の空気になってきた。夕暮れも西の空に夕焼けを残しながら、ゆっくり沈んでいくようになった。
1月くらいから作り始めた、桜の木の18センチの人形の全体が出来てきた。桜の木がとても硬かったので、手を痛めないように気をつけながら少しずつ彫った。
小さな人形の手を左手に持って彫る時、安定して持っていないと危ないのだけれど、時々ポロッと指先から逃げていきそうになる。ささえている手がいつの間にか疲れていたりする。
どうにか体全体の感じが出来てくると、人形から一人の子供に向っていっているような気がして嬉しい。