雨に濡れた八重桜が新緑の中に溶けこむように咲いている。今年の桜もそろそろおしまいだと思うと、少し名残惜しくなる。
制作をすすめていた人形がほぼ完成した。セーターを編んだり、パンツを縫ったり、靴下を編んだり、ひととおりコスチュームが出来て全部着せてから、全体のバランスを見ながら、髪や顔の仕上げをしている。
髪のかんじを細かく描写しないでも、しぜんに髪があるように見せたかったので、布を使って少しずつ薄く木にすりこんでいくように色をつけていった。なかなか決めどころがみつからなかったけれど、おでこのかたちや頭の骨格を意識したらなんとなく思っていたイメージに近づいてきた。濃くなり過ぎないうちに、手を休めて離れて眺めて見ている。