6時を過ぎても、真っすぐに伸びた細い道の向こうに、夕焼けがまだうっすらと残っているのが見えた。ようやく桜の花もほころんで、ほんとうに春を迎えたという気分になった。
制作中の人形は磨いている途中のだいたいのところで、髪の毛を描いてみた。どうも毛のタッチが強すぎるような気がしたので、おもいきってもう一度磨いて消してから、毛を描かないで、髪の感じを出せないか、といくつか実験をしてみた。
毛先の硬い筆でこすったり、硬さの違う布でこすったりしてみた。木に染み込んでいく時、変なしみにならないように、頭の形に沿うように気をつけながら乾くのを待ちながら薄く重ねていった。
セーターを着せたいので、最後は毛糸の色や質感とのバランスをみながら、決めていこうと思う。