夕方、家の近くの道で、大輪の椿の花に足が止まった。薄いピンクの花びらがポワッと浮き上がり、ゆるんできた空気の中で、のんびり咲いているように見えた。
制作中の小さな人形がほぼ完成した。細かく彫りすぎないうちに、顔を薄めに描いて、体をつないでみた。全体の様子を見ながら、髪を描き足したり目を描いたりしている。完成に近くなると、どうしても細かいところに気持ちがいってしまう。全体の印象を大切にしなくては、と、入りこんでしまう気持ちを時々ひき離すようにしている。でも、そのタイミングがなんとも難しい。
完成する時には、嬉しくほっとする気持ちと一緒に、なぜかほんの少しだけ名残りおしいような、寂しさが漂う。
エコール・ド・シモン展には、この18㎝の人形と昨年12月の個展のDMの52㎝の革を張った人形を出品する予定です。