ウォーミングアップ

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今年に入ってから、プランタン銀座での展覧会や個展の準備のために、けっこう人形の服作りが続いていた。久ぶりに木彫りをする前に、大まかな形の確認作業として、石塑粘土で顔を作ってみることにした。

石塑粘土をもり上げたり削ったりしている。

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時々チラッと見ているのは、数年前から気に入っている写真集 『芋っ子ヨッチャンの一生』影山光洋 新潮社、50年くらい前の子供の家族写真集。

耳の位置とか、首のつき方の確認中。






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# by hirokodoll | 2007-07-19 17:23 | 人形の制作 | Comments(0)

骨格と形

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人形を作りながら、形のおおづかみなかんじを確認するために、よく骨格や筋肉のしくみがでている本を眺める。頭がい骨の形を前から、後ろから、横からデッサンして作ったカルテみたいなカードも机の上に置いておく。

頭の形も一人一人微妙に違っているから、どれが正しいとは言いきれないのが難しいところだ。西洋人と日本人の頭の奥行きも違うし、大人と子供でも違う。医学的に正しくても魅力的な形でなかったら人形として、つまらないものになってしまう。自分にとっての、いい形を見つけなくてはいけない。

顔の表情だけで、子供の可愛らしさを表現するのではなくて、全体の形から、子供の可愛らしさがにじみ出てくるようなものを作りたいと思っている。


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# by hirokodoll | 2007-07-12 16:17 | 人形の制作 | Comments(0)

帽子と気配

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学生時代、国立に住んでいた時、紫陽花の咲く道に気になる帽子屋さんがあった。と、言ってもお店か、アトリエかもよくわからなかった。夕方、友人の家に遊びに行く途中の閑静な住宅街の中にそこだけポワーンと明るかった。柔らかなオレンジ色の光の中でいくつもの帽子が浮かびあがっていた。

オーガンジーが幾重にも重なっていたり、バレエのチュチュのようなリボンがついていたり、羽根がついている帽子はほんとうに軽やかに飛んで行きそうに見えた。ガラスの向こうにエレガントな夢のような世界があった。美しい女性が集ってティーパーティをしている様子を想像してみた。時間を忘れてしばらく眺めていたが中に人の気配がなかった。

何十年もたってからテレビで国立の街を紹介する番組で、そこが出ていた。若い頃、ヨーロッパで生活していた、おしゃれな老婦人のやっているアトリエだった。長年のなぞが解けた。もしかしたら、ほんとうに見たのか、実は夢だったんじゃないかと、思いかけていた。

5月の個展の時、画廊の壁に、幾つか帽子を飾った。ただ帽子を飾っているのではなくて、「誰かの帽子」でありたかった。誰かの気配を感じさせるようなものにしたかった。

「母さん、僕のあの帽子、どうしたでせうね?」昔、角川映画の宣伝によくテレビで流れていた言葉、「西条八十」の詩集からの引用が、ふっと頭に浮かんできた。

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今も素敵な帽子を作っていらっしゃいます、

国立の帽子アトリエ関民さん

関民さん

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# by hirokodoll | 2007-07-06 22:24 | 人形の服 | Comments(5)

『マルレーネ・デュマス展』を見た。

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数年前から興味を持っていた女性作家の展覧会を東京都現代美術館に見にいった。

作品は人物がメインで人物の背景はほとんど描かれていない。油絵で描いたポートレイトや、日本の墨絵のようなモノクロの水彩画が並んでいた。スピード感のある筆はこびが人物の生き生きとした表情を画面にとどめている。特にモノクロの作品は、説明的に描写していない分、ストレートにみずみずしいものを感じさせる。墨絵のたらしこみの技法のような黒い絵の具のぼかしは、偶然を自分に引き寄せているかのようだ。

マルレーネ・デュマスは白人でフランスの姓を持ち南アフリカに生まれ南アフリカの大学で美術を学んだ。その後オランダのアムステルダムで心理学を学び、現在はアムステルダムを拠点にしている。今回のテーマは「ブロークン・ホワイト」政治や宗教など、想像するにはあまりにも、深く複雑な問題がある。会場のビデオでは作家自身、女性が子供を育てる事と、芸術活動をする事についても自分に問いかけていた。

目の前の沢山の人物の顔がこちらを見つめてくる。もの凄いリアリティーだ。誰かの一瞬の表情を捉えたはずのその視線の向こうに、デュマスのまなざしを感じた。

「マルレーネ・デュマス展」7月1日(日)まで 東京都現代美術館


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# by hirokodoll | 2007-06-28 16:10 | 観た展覧会 | Comments(0)

夏の服

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個展の時に人形を買って下さった方から、着替えのご依頼があった。その方が着ていた、服を使って、同じデザインに作ることになった。爽やかな紫陽花色のシャツと、サラッとした感触の細かいストライプのベストをお預かりした。パンツもストライプの生地で作ることにした。

服にハサミを入れる時、失敗して生地が足りなくなったら大変なので少し緊張した。旅行に行かれた時に買ったと、懐かしそうにお話されていたお顔がふっと頭に浮かんだ。

途中はいつも何度も着せたりぬがせたり様子を見ながら、仕上げていく。ベストのデザインが凝っていて可愛いので、作りがいがあって楽しかった。

完成して着せていると、カーテン越しに夏の日差しが照りつけてきた。


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# by hirokodoll | 2007-06-22 16:01 | 人形の服 | Comments(0)