<   2010年 04月 ( 5 )   > この月の画像一覧

彫ったり磨いたり

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朝から青空が広がった。洗濯物を干しているすぐそばで、鈴の音がした。近所の猫が陽のあたるところで、こっちを怖がりもせず伸びをしていた。

制作中の人形は彫ったり磨いたりしながら全体にすすめている。前回3月に仕上げた人形は彫りだけで仕上げたけれど、今回はもっと表情をストレートに表現したくなったので磨くことにした。磨くといっても、かげんは様子を見ながら、どのくらいまでかはさぐりさぐりだ。

完成に近くなっていくにつれ、細かく説明的に彫りすぎないように気をつけなくては、と思う。かたちを説明的に追い過ぎると、かえって自分の思いからすうっと、遠ざかってしまう。思いが凝縮されたかたちを作りたい。それは私の心の底から自分で見つけ出す意外ないかたちなのだと思う。上手く言葉にできない言葉を探すようにもどかしく、ぼんやりと指先の向こうにあって、とどきそうでとどかないものとの追いかけっこのようだ。

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by hirokodoll | 2010-04-30 17:09 | 人形の制作 | Comments(2)

絵の中の子供たち

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だいぶ前からとても気に入って見ているお馴染みの子供たちの画集やポストカードを並べてみた。

小倉遊亀の「童女」の浴衣姿の女の子のふっくらとした清潔な可愛らしさ、うちわを持つ手の柔らかさに心惹かれる。女の子のまわりにすずやかな風を感じる。

国吉康雄の「カーテンをひく子供」の目つきのなんと、いたずらそうなこと。頭でっかちでころんといびつな形をできることなら触ってみたい気持ちにかられる。

北川民次の「作文を書く少女」は、ふうっと、少女の吐息が聞こえてきそうだ。着ているカーデガンがどこか懐かしい。

小出楢重の「ラッパを持てる少年」は、じいっと動かないようにポーズをとらされているのがいじらしい。絵のポストカードを作業机の近くに置いておいて、あまりにもいつも目に入っているので、親戚の子供を見ているように思えてしまう。

そのほか、ピカソ、斎藤清、松本竣介、片山健、コロー、ケーテ・コルヴィッツ、長谷川利行、野田英夫

顔の細部に入っていく前にちょっと一息。自分が惹かれるものを眺めて見ている。

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by hirokodoll | 2010-04-23 17:12 | 制作の想い | Comments(0)

バランス 2

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季節外れの寒さの中、雨に濡れた淡い紫色のパンジーが、はっとするほど綺麗だった。よく通っていた道なのに、すぐそばの桜の方に気をとられてこんなに沢山パンジーが咲いていることに気ずかなかった。しっとりと透き通るような紫色のグラデーションに落ち着いた美しさを感じた。

足の長さを、3㎜くらい短くした。足の平も小さめにした。

立たせてみると一瞬、さっきまでとは違うバランスに焦った。失敗したかと、不安になったけれど、少し時間をおいて見ているうちに、悪くないように思えてきた。バランスを少しくずしてみることで、何か発見があるのではないかと、あえてスタイルを悪くしてみた。まだ、入ってみたことのないところへ、一歩を踏み入れてみたい思いからだ。アンバランスというか、不格好というか、もたついた形の中に、自分の気持ちにかさなる形があるような気がする。

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by hirokodoll | 2010-04-16 16:52 | 人形の制作 | Comments(0)

バランス

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真っ赤なチューリップが咲いた。昨日はまだ寒そうにすぼんで蕾だったのに、今日はお天気が良くなって、いっきに開いた。最近はいろいろな色があるけれど、やっぱりチューリップは赤が好きだ。風にゆらゆら揺れているのを見ていたら、幼い日のスカートのアップリケの模様を想い出した。どこからか桜の花びらがくるくる回りながら舞い落ちてきた。

制作中の人形はももの関節のボールをお皿の方と合わせてみたところ。立たせてバランスを見ているうちにもう少しだけ、足を短くしたくなってきた。自分の中ではちょっとスマートなのが気になる。なにか、もの足りないような気がするので、3㎜くらい短くしてみようと思う。もっとたよりないかんじにしたいので足の平も実際の子供のバランスよりも少し小さめにしたい。

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by hirokodoll | 2010-04-08 17:50 | 人形の制作 | Comments(0)

桜の頃

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夕方、近くの小さな川まで散歩に行った。住宅街を静かに流れる川の両脇には、桜が満開に咲いていた。歳月を経ていい形になったそれぞれの桜の木を、芝居の役者に見立てながら歩くと、ひと際見事な主役級の木があった。ごつごつとした太い幹がねじれながら川に向かって斜めにせり出し、枝はゆったりと垂れ下がり、花びらが水の上でひらひらとゆれていた。ほんのひととき、うっとりとした気分にさせてくれた。

制作中の人形は、顔の目鼻を作りたくなる気持ちを抑えつつ、胴体にすすんだ。途中の段階でどうしても意識が顔ばかりに集中してしまいがちになるので、もっと全体の形を意識しながら、顔もすすめていきたいと思う。顔だけに語らせようとしないで、全体で語るという意識を持ちたい。どこから見てもいい表情であるように。自分のイメージの中のいい形を探している。

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by hirokodoll | 2010-04-02 17:04 | 人形の制作 | Comments(2)