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革張り人形のケア

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朝から蝉の鳴き声がいきおいよく聞こえてくる。あまりの暑さに、革を張った人形の革が乾燥してしまうのではないかと、心配になってきた。渋谷のハンズに革を保護するために何かいいものはないかと探しに行き、革の染色をする時の仕上剤と革製品のお手入れ用のクリームを買ってみた。

実験にまず目立たないところに仕上剤をかるく布でつけた。薄くコーティングされ強度は増しそうだったけれど、ちょっと硬くなるかんじが気になった。イタリア製のお手入れ用の栄養クリームは水溶性のゼリー状で布ですっと擦ると革がうるおってきて、自然なつやが出てきた。ベトつかないし臭いも残らないので、こちらの方を使うことにした。箱に書かれている、皮革に深く浸透し乾燥やひび割れからも守る、という言葉をひとまず信用することにした。

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服も少しずつ進めようと、セーターの毛糸とパンツの生地を合わせてみた。考えがまとまらずに迷ってしまったので、毛糸の候補を4種類くらい試しに編んでみて雰囲気を見ている。色の響きあい、毛糸の風合いと生地の質感のバランス、人形に一番似合いそうな組み合わせはどれだろう。

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by hirokodoll | 2009-07-31 16:33 | 人形の素材 | Comments(0)

新しい人形の準備

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どこまで作りこんで完成するか、というのはいつも悩む。特に顔のかげんは限りなく深く難しいもの。ザックリとした痕跡はなぜか心地よく目に写る。でも見ているうちに、これでいいのかという疑問が湧き上がる。もっと人格を感じられるように、作れないだろうか。最後は少し時間をおいて、眺めながら仕上げようと思う。

新しい人形の準備をはじめた。作りがいがあって面白かったので、次も52㎝くらいの人形を作ろうと思う。5月に行った木材店に行くと、見覚えのある断面のかつらの木があった。残っていた同じ木ををお店の奥の作業場で切ってもらった。

胴体と二の腕と足のももに張る革を木に合わせてみた。また以前、知人から「人形の靴につかえたら」と頂いたものだ。段ボール箱の中で何年も眠っていたけれど、触ってみると、羊の革のしなやかさが、ちょうどよさそうだ。色も作りたい人形のイメージにちょうどピッタリなのでこれで作ってみようと思う。

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by hirokodoll | 2009-07-24 16:58 | 人形の素材 | Comments(0)

つなぎ

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ここ数日の猛烈な暑さに、咲き始めた朝顔もゆっくりと眺める間もないうち、よれよれになってしまった。渋めの濃い紫に白がはっきり入っていて目にすがすがしく、夏が来たと知らせているようだった。

梅雨があける頃までに完成したいと思っていた革張りの人形をつないでみた。だんだん出来てきてはいたけれど、一週間くらい前の顔はまだ自分の顔になりきっていないような気がしてなんとなく落ち着かなかった。やっと、自分の顔になってきたような気がする。顔を作るとき、意識するのは陰と陽の表情だ。どちらに傾きすぎても満足できない。哀しげなのも明るすぎるのもちょっと違う。憂いを含みつつ、穏やかでしみじみと優しい表情がいい。

顔描きは新鮮さを失わないようにいきおいよくさっと決めたい気持ちはあるけれど、強くしすぎて全体のバランスがこわれると大切にしていた表情もこわれてしまいそうなので、少しずつ薄めに描いている。

時間の経過とともに革と木のコントラストが弱まり一体化してくるのが楽しみだ。

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by hirokodoll | 2009-07-17 17:43 | 人形の制作 | Comments(0)

顔作り

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朝起きると机の上の人形に、まず目がいく。おはようと、心の中で挨拶をする。明るさの加減のせいか、前の晩に見た時の印象と違っていて不安になってしまうことがある。明るさのせいだけではなく、ほんとうにただ満足できなくて不安になることもある。そんな時は、今、納得できる顔に向かっている途中なんだから大丈夫、きっと大丈夫、といそいで気持ちをなだめる。

時々作っていて、心がかよいあえた、と思える瞬間がある。人形と自分の心が重なったような気がして、とても嬉しい。作っているということも忘れて作っている瞬間だ。

ついつい気持ちが人形にふりまわされてしまいそうになる。不安になったり慌てそうになる度に、落ち着いて、落ち着いてと、何度も自分に言い聞かせる。

だんだん完成に近づいてきた。彫ったり、磨いたり、薄く色をつけたり。仕上げようと意識しすぎると、単調な形になって表情がきゅうに硬くなってきたりするから、気をつけなくては。

ちょっと気分をかえて、人形の背景を想像してみる。見ていた風景は?感じていた風は?好きなおやつは?

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by hirokodoll | 2009-07-10 17:31 | 人形の制作 | Comments(0)

自分らしさ

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ほぼ一週間かかって、やっと革張りが終わった。どんなふうに出来るのか、早く仕上げて見てみたい気持ちと、上手くいかないのを怖がっておっかなびっくりの気持ちが引っ張り合って、なかなか進まなかった。革の伸び方の違いには最後まで悩まされて形に添わせて切るのが難しかった。

作業の途中で、最近出た、詩人、新川和江さんの「詩が生まれるとき」という本を読みはじめた。自作詩と詩にまつわるエッセイが回想を交えながら書かれている。

中学生の時に、はじめて手に取った詩集は新川和江さんのものだった。難しい言葉は使われていないものの、そのころの私にとっては、わかったようなわからないような、でも何か言葉が直接心に響いてくるのを感じていた。今読むと、あらためてはっとするような、言葉の奥行きと手ざわりを感じる。ゆっくり味わいながらページをめくりたくなる。

制作の遅さにじりじりする気持ちもいつのまにか静まって、机に向かうことができた。出来上がりは綺麗とは言えないけれど、なんだか自分らしいかんじになったように思える。これからまだ細かいところを彫ったり磨いたり、最終的な仕上がりまではもう少し。

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by hirokodoll | 2009-07-03 16:42 | 人形の制作 | Comments(0)