<   2009年 04月 ( 4 )   > この月の画像一覧

力の入れ方

d0079147_15481961.jpg

銀杏も楓もついこの間まで生まれたての赤ちゃんのような可愛らしい葉をつけていたのに、あっという間にぐんぐん成長してたくましくなっている。いつもの公園に行く道で、ちょっと離れた屋根の上に鯉のぼりが見えた。どんよりした空に泳ぐ鯉のぼりは波から飛び出し、ゆらゆらと天に昇っていく途中のようだった。もうすぐ子供の日。

小さな人形は力が少なくてすむから、つい早くできるような気がしてしまう。作っているうちにやっぱりそうでもないと自分の甘さを感じる。小さい手足は持っている手からころころと逃げていくし、安定するのが難しいから手を切ってしまわないように肩にもよけいな力が入ってしまう。ふと気づくと右手の彫刻刀を握っている指先ばかりに力が入っていた。左と右の手の力を自分の体の中心でプラスさせれば二倍の力になるのをうっかり忘れていた。それは三角のおむすびをキュッキュッと握る時の力の入れ方に似ている。右手の力を左手で受ける。彫っているものを左手で包みこむように持ち、右手の薬指をストッパーとして使いながら左右からささえあうようにして彫る。左右の小指などがくっついているかいないかでも安定感が違ってくる。疲れをためないように力は漠然と使うのではなくもっと意識的に使わなくては。

出来上がりに近づいてきてようやく要領がつかめてきた。

d0079147_1734546.jpg
d0079147_1735575.jpg

今週から、京都にある人形店「昔人形青山」に人形を置かせていただいています。


[PR]
by hirokodoll | 2009-04-24 17:33 | 人形の制作 | Comments(0)

今の気持ち

d0079147_1512935.jpg

楽しませてくれた桜の木にはみずみずしい葉がつき、今はぽってりとした八重の桜が満開に咲いている。チューリップも元気に背のびをするように咲いている。また強い風が吹いたら、はらはらと散ってゆくのだろう。春の花は次々と咲き、おもいきりよく風に舞う。

人形の顔を集中的に作っている。はじめのイメージを思い浮かべながら作っている。けれど時間の経過とともに少しづつ今の気持ちとのずれが起きてくる。人から見たらいつもと変わらないように見えるのだろうけれど、自分の中ではたしかに起きてくる。あまりはじめのイメージどおりに作ろうと思いすぎても、なんだか物足りなくて満足できなくなってきてしまうこともある。最後に満足できるかどうか、が大切だ。今の気持ちが、すっと人形に重なってくるのを、待つような気持ちで作っている。先を急いで手だけ動かしてしまわないように自分に言い聞かせながら。

イメージが出来てきたので見失わないように、顔に色を入れてみた。やっぱりいつもの自分の人形と兄弟みたいになった。

d0079147_16551195.jpg

[PR]
by hirokodoll | 2009-04-17 16:51 | 人形の制作 | Comments(0)

花吹雪

d0079147_15404294.jpg
d0079147_15392418.jpg
d0079147_15393442.jpg

家から10分くらいのところに、住宅街を静かに流れている呑川という小さな川がある。その川沿いにも桜並木がある。古い樹なのか両側から水面の上に低く下がった枝ぶりがじつにみごとだ。まるでお芝居の背景のようだ。ふだんの静かで穏やかな風景から急に一転し華やかな雰囲気になっているからなおさらそんなふうに見えるのか、吹き抜ける風にはらはらと花吹雪まで舞っている。

日が暮れるにつれだんだんと白く浮かび上がってくる花びらを横目に歩いていると、通り過ぎるのがおしくなっていつのまにか足が止まってしまった。目の奥にしまっておきたくなるほど綺麗だった。

18㎝ほどの制作中の人形の全体のバランスが整ってきたので関節を作っているところ。小さいので強度も考え肘と膝の関節はつながっているタイプにした。今回は関節に入れるのはピアノ線ではなくて直径3㎜の太さの木の棒を入れる。横から見た時金属より優しいかんじになるように。電動ドリルで穴を開ける時はやっぱり緊張する。慎重に進めなくては。


d0079147_17195470.jpg

[PR]
by hirokodoll | 2009-04-10 17:11 | 人形の制作 | Comments(0)

北国の木

d0079147_1662066.jpg
d0079147_1883926.jpg

咲きかけて立ち止まっていた桜も、ようやく満開になった。

先日、北海道のシナの木が届いた。以前展覧会で何度もご一緒していた浅草の木彫の親方のおはからいで、いつも彫っているカツラよりも柔らかいシナの木を北海道の木彫作家の方から送ってもらったものだ。

東京ではなかなか手に入りにくい木らしい。北海道に住み長年その木を使って制作しているその方は木を乾燥させる時、小さなものは電子レンジを使っているとのことだ。しかもその時間はにおいで判断しているという。まさに経験を積んでいる方だからこそできること。

そおいえば、いつだったか読んだ本で舟大工は側面の板を曲げる時、熱湯をかけたり水をかけたり、地方によっては火であぶったり、そのかげんは経験して感じ取るしかない、とあった。

そのうちシナを試しに彫ってみようと思っている。お礼の電話をかけた時の「場所によって固さがだいぶ違うから怪我しないように気をつけて」という声が北海道のアクセントで耳に残っている。

進行中の人形は首のボールとお皿を合わせてから、もものボールを作っているところ。

d0079147_1873660.jpg

[PR]
by hirokodoll | 2009-04-03 17:45 | 人形の制作 | Comments(0)