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道端に咲いたワレモコウ。幾度となく通っていながら気にも留めなかった。草の間で紅色の愛嬌のある穂先が揺れていた。私も咲いていますと、少し恥ずかしそうに主張しているようだ。吾亦紅という名前がいじらしさを誘う。目立たないけれど季節のうつろいをはっと気づかせる。
ふっくらとした子供の可愛らしさを出したいと思って、指を磨き始めた。紙のサンドペーパーだとしならず細かい形に添いにくいので、布のサンドペーパーを使っている。荒め、中くらい、細かいのとを使って進めているけれど、固い木目が出てくるところはなかなか思うようにいかない。力まかせに磨いていると、小さくなってきてしまう。すぐに夢中になってしまうたちなので、けっこう危ない。慌てて離してみて、左右の大きさを比べてみたりする。
磨いていたら時間があっという間に過ぎてしまった。どうにかストライプのセーターが編み終わったので一息ついた。