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"修学旅行"再

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木で人形を作るようになってから、日本の古い仏像に興味を持つようになった。と言っても実際に奈良や京都に行った経験は中学と高校の修学旅行と専門学校時代の5日間くらいの古美術研究旅行しかない。学校の授業の一環として行ったそのときにもそれほど強い関心がなかったので、もったいないことに漠然と見てしまった。

最近になって哲学者、和辻哲郎『古寺巡礼』という本を読んだ。お寺を歩き仏像を見てまわりその感じたことを鋭い独自の視点から書かれた文章に触発されいっそう興味が湧いてきた。出かけて行って自分の目でみたいけれどなかなかそうもいかない。大正8年ごろに書かれたその本から想像してみるが、どのような空間に仏像が置かれているのか、配置や大きさの違い、光の具合はどんなものか、今のお寺の周りの雰囲気はどうかまではわからない。

そこでパソコンで気になるお寺を見てみた。画像の写真が鮮やかにまさにリアルタイムの情報が解りやすく出てくる。でもなんだか、少しよそいきな感じに思えた。

たまたま図書館で『日本美術観光団』(朝日新聞社)を手にした。赤瀬川原平山下裕二、がお寺や神社を歩いて見てまわるという本だ。住職さんや宮司さんに案内されたり、そこに観光に訪れている人の様子が出ていた。美術史の本には出てこないような2人が撮った町の面白い写真が載っていたりする。これぞ大人の修学旅行、というかんじだ。

今、私の頭の中は美しい和辻の文章や画像からの情報、かじったばかりの美術史の知識がごちゃごちゃと散らかっている。でも学生の時の覚えるだけの教科書の上の勉強ではなくて、想像力と遠い記憶もたぐりよせ、時間を越えたコラージュ作品を作るように楽しんでいる。


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by hirokodoll | 2008-05-08 18:15 | 制作の想い | Comments(0)
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