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『マルレーネ・デュマス展』を見た。

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数年前から興味を持っていた女性作家の展覧会を東京都現代美術館に見にいった。

作品は人物がメインで人物の背景はほとんど描かれていない。油絵で描いたポートレイトや、日本の墨絵のようなモノクロの水彩画が並んでいた。スピード感のある筆はこびが人物の生き生きとした表情を画面にとどめている。特にモノクロの作品は、説明的に描写していない分、ストレートにみずみずしいものを感じさせる。墨絵のたらしこみの技法のような黒い絵の具のぼかしは、偶然を自分に引き寄せているかのようだ。

マルレーネ・デュマスは白人でフランスの姓を持ち南アフリカに生まれ南アフリカの大学で美術を学んだ。その後オランダのアムステルダムで心理学を学び、現在はアムステルダムを拠点にしている。今回のテーマは「ブロークン・ホワイト」政治や宗教など、想像するにはあまりにも、深く複雑な問題がある。会場のビデオでは作家自身、女性が子供を育てる事と、芸術活動をする事についても自分に問いかけていた。

目の前の沢山の人物の顔がこちらを見つめてくる。もの凄いリアリティーだ。誰かの一瞬の表情を捉えたはずのその視線の向こうに、デュマスのまなざしを感じた。

「マルレーネ・デュマス展」7月1日(日)まで 東京都現代美術館


by hirokodoll | 2007-06-28 16:10 | 観た展覧会 | Comments(0)
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