どんよりとした空をさらに黒い雲が動いていく。湿った風が雨の匂いを運んでくる。
作りかけていた33センチの女の子の人形をまた作り始めた。作っている時間が大切なのと同じように、手を休めて眺めている時間も大切なのだと、しみじみと思えてきた。作っていると、作ろうとしている形と自分の気持ちに時間のズレがおきてくる。手だけが先に行きすぎたり、気持ちの方が先に行きすぎたりする。それを意識しだすと形にのびやかさがなくなってきたり、実感のある形が見つけ難くなったりする。
この人形は自分の気持ちと手がしぜんと一緒に進んでくれた。自分の今の気持ちがスウッと重なっていったようなかんじ。
顔の印象が決まってきたので、髪の毛をどんなふうにするか眺めているところ。